足のケアも治療のひとつ
最近は優れた水虫薬が出てきているにもかかわらず、相変わらず「水虫は治りにくい」と思われています。水虫を治療するためには、薬剤による治療と共に、日常生活における環境の改善が不可欠となります。
足のケアは、言い換えれば生活療法とも言えます。これは薬物療法と並ぶ車の両輪のような関係で、両者がうまくかみ合って初めて水虫治療の本当の効果が上がるといっても言い過ぎではありません。ケアをしっかりしないと、薬物療法で症状が改善したとしても、再発を繰り返すことにもなり、水虫はいつまでたっても改善できません。
水虫を治すために最も必要なのは、患者自身の水虫を治そうとする根気と努力です。これ以外にありません。水虫治療は、ゆるい上り坂を上るように、治療を始めたら途中で投げ出したりせず、足のケアについても積極的に取り組んでいきたいものです。
足のケアの基本は清潔と乾燥
足のケアの基本は、足を清潔に保ち、白癬菌がつきにくいようになるべく乾燥を心がけることです。また、水虫の再発を防ぐためには、履き物の管理、床の清掃、敷物を清潔にするなど、日常生活面での配慮も欠かせません。
水虫の防除には日常生活のうえでのわずかな注意と工夫が欠かせません。患者自身はもちろん、家族の人たちも力を合わせて白癬菌を退治するよう心がけることが大切です。
足を清潔に保つコツ
日常的に足の清潔を保つには、石鹸で丹念に洗うのが一番効果的な方法です。
水虫の予防と足のケアで最も重要なことは、足の清潔を保つことです。足は意外と汗をかきやすく、しかも床や地面と接するところなので、ちりやほこりが付いて汚れやすいのです。特に足の裏や指の間は、目に見えない白癬菌や雑菌類に汚染されやすい部位と言えます。
足の洗い方ですが、まずぬるま湯を足全体にかけて皮膚表面の汚れをさっと洗い流します。それから石鹸を使い、汚れやすく白癬菌がつきやすい指の間を念入りに洗います。石鹸は通常の浴用石鹸を使えば良く、逆性石鹸や消毒用石鹸を使う必要はありません。
洗う際には、あかすりでゴシゴシこすると皮膚を痛めるので、手の指やタオルで軽くこすり洗いするのがよいでしょう。
外出先から帰宅した場合は、手洗いやうがいとともに、足を洗う習慣をつけると良いでしょう。こまめに洗うことで、足の清潔が保たれるので、それだけ水虫の予防とケアになります。
充分に乾燥させる。
足を洗った後は、良く乾燥させなければいけません。
まずタオルで余分な水分をとり、しばらくは素足のままにして乾燥させます。指の間は乾きにくいので、とくに念入りに広げるようにして乾かすことがポイントです。
ただし、足の裏やかかとなどは乾燥させすぎないようにします。保湿クリームを塗るなどして保護してあげると良いでしょう。