多種多様な抗真菌剤
カビが原因で起こる皮膚疾患を真菌症というのはこれまで述べてきたとおりです。
水虫もカビの一種、白癬菌が原因で起こるので、水虫の薬物治療にもカビに作用する薬、抗真菌剤が使われています。
病気の原因になるカビはさまざまな種類があります。そのそれぞれが、構造や性質が異なるので、抗真菌剤も、カビにたいしてさまざまな種類のものが開発されています。
したがって、病原菌(カビ)の種類や症状によって、一番効果の上がる抗真菌剤を選択すると言うことが治療をする上でも大変重要になってきます。単に白癬菌が見つかったからと言って、どんな抗真菌剤でもつければそれで済むというわけではないのです。
抗真菌剤とともに、症状によっては抗生物質や消炎剤などを併用することはよくあることです。また、糖尿病などで、水虫の症状が治りにくくなっている患者の場合など、その糖尿病もしっかりと治療していくことが大切なのです。
外用薬・内服薬・抗真菌剤
抗真菌剤には、外用薬と内服薬があります。いずれの薬も症状や目的に応じて使い分けるのですが、種類では外用薬の方が圧倒的に多くなっています。外用薬は、患部の白癬菌に直接作用するので効き目が早く、薬剤の種類や使い方によっては長時間効果を持続させることもできます。
内服薬は、適切な使用で水虫治療に効果を発揮しますが、薬の作用が患部の白癬菌だけでなく全身に作用してしまうので、副作用の心配が出てきます。そのため、内服薬は医師の判断と処方により、患部が広範囲にわたる場合や治りにくい角化型足白癬、爪白癬(爪の水虫)の治療にかぎって用いられています。実際、爪白癬などは市販の外用薬をつけただけではなかなか治りません。