カセイカリ検鏡法
白癬菌が原因で起こる病気の確実な診断方法に、カセイカリ検鏡法というものがあります。これは、患部に白癬菌がいるかどうかを直接調べるという方法です。
現在でも水虫の診断法としては最もポピュラーな存在といえます。
この検査の手順は、
- 白癬菌に侵されていると思われる部分の皮膚をハサミなどで少量はがしとります。痛みはないそうです。
- 採集した皮膚片を、顕微鏡用のスライドグラスに乗せます。
- その皮膚片を、濃度10~40%のカセイカリ溶液に浸します。暖めると皮膚片が溶けてしまうので、それを顕微鏡で観察し、白癬菌の有無を調べます。
大体このような手順で白癬菌の有無を調べ、白癬菌がいる場合は菌の胞子や菌糸などが存在しますので、何が病原菌なのかが鑑定できるわけです。
カセイカリ検鏡法は時間もかからずに、比較的簡単に白癬菌の有無を調べられるので良いのですが、水虫が足の裏全体に広がっている時はどこの皮膚を採取するかが重要なポイントとなります。なぜかというと、趾間型足白癬では、指の間の白くふやけた皮膚を調べても白癬菌がいないことが多く、角化型足白癬では、はがれかかった皮膚よりも、角層から皮膚片をとる方が白癬菌の発見率は高くなります。ですので、水虫を正しく診断するためには、患部の数カ所から皮膚片をとり、詳しく調べることが大切です。