高温多湿な場所が大好き
白癬菌を含めて地球上に生息する菌類の多くは高温多湿を好みます。白癬菌の生育に適した温度と湿度は、菌による差はありますが、好人性白癬菌の場合は、温度20~40℃前後、湿度60~80%程度を好むと言われています。
人の水虫で、足白癬、足の水虫が最も多いのは、人間が靴を履くようになって、靴の中が白癬菌にもっとも生育しやすい環境になったからでしょう。足白癬は、現代の靴とナイロン靴下の発明の申し子、文明病とも言えるのですね。
足の裏は格好のエサ場
足の裏は水虫の餌であるケラチンというタンパク質の宝庫です。皮膚の角層が厚く、しかも脂腺や体毛がなく、菌に対抗する分泌物が少ないので、高温多湿の条件が揃えば白癬菌にとって理想的な住みかとなるだけでなく、エサ場にもなってしまうわけです。
合併症の有無も水虫活性化の大きな要因
合併症の有無も白癬菌の活動に影響を与えます。白癬菌は生育条件が揃っているところへ宿主である人間が健康を害するなどで抵抗力が落ちるとより活発に活動し始めます。免疫異常やホルモンバランスが乱れたりすることで、人体の白癬菌に対する抵抗力は低下してしまいます。その分白癬菌には有利になっているわけです。
実際に生活習慣病の原因となる糖尿病や肥満を併発していると、水虫が悪化したり治りにくくなることがわかっています。
合併症の有無も、水虫の治療にとって無視できません。