皮膚は外科医の刺激から体を守るバリア
炎症やかゆみなどが水虫の症状として 起こるのは、皮膚の構造と共にその働きや役割とも深い関係があります。
人間の体は、外から侵入しようとする有害物質や刺激を取り除いて体を守るバリアの役割を果たす皮膚で全体が覆われています。
異物が皮膚に触れると、その異物を敵か味方か判断し、害毒となるものは取り除こうと するのです。これを免疫反応と呼んでいます。
また、さらに大きな刺激を受けると、同じように免疫反応が起こりますが、免疫反応が過剰になると皮膚が赤く腫れたり、かぶれやかゆみ、痛みを感じる事があります。これをアレルギー反応と呼んでいます。外的や刺激に対して体を守ろうという防御反応として、こうした皮膚の症状が起こるのです。
水虫の原因である白癬菌は、皮膚にとっては異物です。 この白癬菌が皮膚にとりつくと当然に、菌を異物として排除しようとします。すると、白血球などの援軍が体の中から集まってきて、白癬菌軍と生体防御軍とのあいたで熾烈な戦いが繰り広げられます。そのために、足の裏や趾間の皮膚はその戦場となって炎症が起こり、赤みやかゆみ、水ぶくれなどの症状が現れるのです。長い間白癬菌に侵されると、皮膚全体が厚くなり、ボロボロとむけてくるようになります。
皮膚は体温調節や吸収・排泄作用も行う
皮膚は汗腺や毛孔などを通じて、必要なものを摂取して体内に取り入れ、不要なものを排泄する機能も持っています。さらに、汗をかいたり皮膚を収縮させることで、体温を調節する働きもしています。入浴すると皮膚がふやけて手足の指にしわができるのも、皮膚の持つ機能によるものです。
さて、足です。長時間靴を履き続ける方はたくさんいらっしゃると思いますが、そのような場合足はどうなっていると思いますか?
靴の中は、汗をかいて高温多湿になっているはずです。足の皮膚も蒸れてふやけていることでしょう。このような状態は、カビの一種である白癬菌が生息するのに、非常に好都合な環境になっています。そのまま皮膚を洗浄せずにおくと、白癬菌以外の細菌類も繁殖し始めて異臭を放つようになります。
皮膚の主な機能と役割
- 外界の刺激から体を保護する
- 体温を調節する
- 温度・感触・痛みなどを感じる
- 汗・皮脂などを分泌・排泄する
- 呼吸・吸収を行う
- ビタミンDを合成する
- 傷口を修復・再生する
- 免疫・アレルギー反応
- 第2次性徴器官を形成する